資金調達でのファクタリングの正しい利用法
ファクタリング業界の現状
◆ファクタリングから抜け出せない会社が増えている
最近、ご相談いただいても、ファクタリング(2社間ファクタリング)を利用できる会社の 相談が少なくなった。その理由は、ファクタリングを利用していただけない状況の次の ような会社が増えているから。
・他社の譲渡登記が付いている会社
・譲渡登記はなくても複数社のファクタリング会社を利用中の会社
・高額な税金や社会保険の滞納している会社
・悪徳業者の利用で資金繰りが極めて悪くなっている会社
◆ファクタリング会社とは言えない闇金と変わらない会社の存在
本来ならファクタリングを利用できない会社を狙って、ファクタリングの形はとるけど実 体はヤミ金といって過言でない業者が増え、高い手数料と二重譲渡、三重譲渡で大 きな損失を抱えさせ、中小企業を破綻に追い込むようなことをするファクタリング会社 が増えている。
◆よろしくない会社の特徴
・手数料が高い 20%~は要注意
・いざ実行の段階で手数料が高くなる
・契約書がない。あるいは契約内容に問題がある 例)売掛先の破綻時遡及できないのに、実質上、遡及する合意を強要している。
・派手なインターネット広告や電話営業 ・架空債権や二重譲渡を知りながらも実行する。むしろそれでもできることを営業に利 用する会社もある
・審査をほとんどしないで安易に実行するような営業トークをする
・必要資料がやたら少ない
・やたら即日実行を強調
・他社の包括的に付く譲渡登記があるのに実行する
◆よろしくないファクタリング会社の営業方法
登記簿図書館などで、よろしくないファクタリング会社に捕まっていそうな会社を探し て、対象の会社に電話やファックスで営業する。最初は甘言で迫って来るから要注 意!
『御社ならすぐに実行できる』 『弊社のファクタリング手数料は3%です!』
いよいよ契約の段になって
・譲渡承諾が取れないんですか? では、手数料は20%になります!
・何らかの理由をつけて謝絶する。断ったあと、別会社の名前で電話営業。困ってい た利用客は高くても利用する。
・2回目の利用時も、気を付けないと、 いざ、再実行の直前で断り、社名が違うグループ会社から営業をして、既存のファクタ リング手数料よりも高い手数料で実行。 このような闇金のやるようなことを繰り返され 多額の損失を蒙った会社の数は少なくない。
2社間ファクタリングの正しい利用法
◆でも2社間ファクタリングも、次のように正しく使えば多くの中小企業が困る至急対応可能な短期資金の現実的な資金調達になる
・高いコストの調達であっても、その調達が売上につながり、収益として戻りそのコス トを回収できる場合。
・将来のビジネスの展開に寄与する前向きな資金使途である場合。
・利益率が特に低くなく、ファクタリングコストの負担が大きすぎない場合。
・コストが低くないから、あくまでも最低必要額のスポット的な利用に限定し、長期継続 的な利用はしない。
・正しく利用すれば、銀行が対応しない売上急増に必要な資金調達が可能となり、会 社の成長に寄与する資金調達になる。
※一般社団法人 財務会計支援機構 「2社間ファクタリング読本」より